diff --git a/.markdownlint.json b/.markdownlint.json new file mode 100644 index 0000000..f4c4135 --- /dev/null +++ b/.markdownlint.json @@ -0,0 +1,4 @@ +{ + "MD013": false, + "MD041": false +} \ No newline at end of file diff --git a/src/append01/selealgebra.md b/src/append01/selealgebra.md index 510ed4b..700effc 100644 --- a/src/append01/selealgebra.md +++ b/src/append01/selealgebra.md @@ -11,6 +11,7 @@ PyMOLのSelection文法を使うことで識別子(identifier)やプロパ Selectionは、論理演算子(`true/false`のブール型変数、`and`, `or`, `and not`など)と組み合わせることで、より精密に包括的に行うことができます。ブール型の`and`は指定されたプロパティの両方(またはすべて)を持つ項目のみを選択し、`or`はそれらのどちらか(またはいずれか)を持つ項目を選択します。 ### 選択演算子/修飾子テーブル + 選択演算子と修飾子を以下に示します。ダミー変数`s1`と`s2`は, `chain a`や`hydro.`といった選択式を表します。 @@ -135,8 +136,8 @@ Selectionは、論理演算子(`true/false`のブール型変数、`and`, `or` ### 入力について - - 名前とキーワードは `ignore_case` が設定されていない限り大文字小文字を区別しない。 - - 名前とキーワードは、曖昧でない接頭辞に省略することが可能。 +- 名前とキーワードは `ignore_case` が設定されていない限り大文字小文字を区別しない。 +- 名前とキーワードは、曖昧でない接頭辞に省略することが可能。 **おすすめ設定**: **大文字小文字を区別**して、**省略されていない選択式**で書きます。そうすることで、実行時の設定や将来の言語の変更 (新しいキーワードの追加など) に対して記述が堅牢になります。 @@ -148,7 +149,9 @@ Logicalな選択範囲は組み合わせることができます。例えば以 # チェインAの一部であり、残基番号125ではない原子を選択。 select chain A and (not resi 125) ``` + 以下に様々な選択範囲の結合例を示します。 + ``` python # 以下の2つの選択は等価です。 # チェインAにあるCβ、Cγ1、Cγ2原子を選択 @@ -190,4 +193,5 @@ select bm. c. C ``` python byres ((chain A or (chain B and (not resi 125))) around 5) ``` -PyMOL は、論理的な選択範囲を一番内側の括弧から外に展開します。 \ No newline at end of file + +PyMOL は、論理的な選択範囲を一番内側の括弧から外に展開します。 diff --git a/src/append01/term.md b/src/append01/term.md index 905a729..88b2249 100644 --- a/src/append01/term.md +++ b/src/append01/term.md @@ -1,7 +1,9 @@ ## PyMOLの用語集 + 気づいたら書いていきます。 ### オブジェクト (object) + PyMOL上の**オブジェクト**とは、PyMOL上に表示された構造ファイル、または選択範囲のことです。特に、PyMOLの右側のメニューはオブジェクトを操作する**オブジェクトパネル**と呼ばれます。 @@ -11,4 +13,5 @@ PyMOLでは構造情報だけでなく、選択範囲についてもオブジェ ### セグメント(segment identifier) -**セグメント**とは、構造ファイルの中のsegment identifier(segment ID)に登録されている情報のことです。かつて`.pdb`ファイル形式が主流だった頃、segment identifierは原子の座標を記述する`ATOM`, `HETATM`レコードの中の73〜76行目に記述するようになっていました。特に、同一chain IDにありながらある種の原子のグループごとに分けて記述したい場合(例:共有結合しているタンパク質とリガンドを分けたい時)に用いられましたが、今はChain IDで分けるのが主流となっています。segment identifierは現在廃止された仕様ですが、PyMOLやChimera, CHARMMなど一部のプログラムは未だにこれを利用することができます。 \ No newline at end of file + +**セグメント**とは、構造ファイルの中のsegment identifier(segment ID)に登録されている情報のことです。かつて`.pdb`ファイル形式が主流だった頃、segment identifierは原子の座標を記述する`ATOM`, `HETATM`レコードの中の73〜76行目に記述するようになっていました。特に、同一chain IDにありながらある種の原子のグループごとに分けて記述したい場合(例:共有結合しているタンパク質とリガンドを分けたい時)に用いられましたが、今はChain IDで分けるのが主流となっています。segment identifierは現在廃止された仕様ですが、PyMOLやChimera, CHARMMなど一部のプログラムは未だにこれを利用することができます。 diff --git a/src/ch01/accesspdb.md b/src/ch01/accesspdb.md index 774a08c..c28cbde 100644 --- a/src/ch01/accesspdb.md +++ b/src/ch01/accesspdb.md @@ -1,4 +1,5 @@ ## Protein Data Bank (PDB)にアクセスする + お使いのパソコンにインストールされているウェブブラウザ(Edge, Safari, Google Chrome, Firefoxなど)の検索エンジンに、「PDB」と入れて検索すると、[RCSB PDB](https://www.rcsb.org/)のホームページが表示されます。 diff --git a/src/ch01/colorbychain.md b/src/ch01/colorbychain.md index d9cc067..8c88c82 100644 --- a/src/ch01/colorbychain.md +++ b/src/ch01/colorbychain.md @@ -1,8 +1,9 @@ ### チェインごとの色分け + このアルカリホスファターゼがホモ2量体であることをわかりやすく表示するために、Aチェインを緑色(デフォルト)、Bチェインを水色(cyan)で表示してみます。PyMOL右下の画面に`S`という小さなボタンがあるので、ここを押すと、タンパク質が表示されている画面の上にアミノ酸配列が現れます(参考: [配列の表示について](../ch02/dispseq.md) )。 -チェインごとの色分け +![チェインごとの色分け](./image/colorchain.png) 今表示されたアミノ酸配列の上で、マウスを使ってチェインBをすべて選択します。次に、色の設定を参考にしてチェインBを水色に変更します(参考:[色の設定](../ch02/color.md) )。 -※ PyMOLの画面上に存在する入力欄`PyMOL> `の所(中段上と一番下の2ヶ所に存在しますが、どちらに入力してもOK)で上や下の矢印キーを押すと、それまでに入力したコマンドを再び呼び出すことができます。また左右の矢印キーを使って、以前使ったコマンドを自由に編集できます。同じコマンドを何度も入力するのは面倒なので、上下左右の矢印キーを上手に使いましょう。 \ No newline at end of file +※ PyMOLの画面上に存在する入力欄`PyMOL>`の所(中段上と一番下の2ヶ所に存在しますが、どちらに入力してもOK)で上や下の矢印キーを押すと、それまでに入力したコマンドを再び呼び出すことができます。また左右の矢印キーを使って、以前使ったコマンドを自由に編集できます。同じコマンドを何度も入力するのは面倒なので、上下左右の矢印キーを上手に使いましょう。 diff --git a/src/ch01/colorbyss.md b/src/ch01/colorbyss.md index 21bd749..3c13932 100644 --- a/src/ch01/colorbyss.md +++ b/src/ch01/colorbyss.md @@ -1,12 +1,13 @@ ### 二次構造ごとの色分け + この大腸菌アルカリホスファターゼを、今度は二次構造による色分けを使って表示してみます(参考: [色の設定について](../ch02/color.md) )。 オブジェクトパネルにおける`1ALK`のCのところをクリックし、Colorのメニューのところで、[by ss]にマウスを重ねます。色分けの種類はデフォルトで3種類用意されており、どれを使っても問題ありませんが、ここでは一番上の例(ヘリックス:赤; シート:黄; ループ:緑)のカラーリングで表示してみます。 - +![colorbyss1](./image/colorbyss1.png) このように表示されるはずです。 - +![colorbyss2](./image/colorbyss2.png) -ここで、大腸菌アルカリホスファターゼの立体構造のCATHによる分類は、"Alpha Beta 3-Layer(aba) Sandwich"とされています。Cartoon表示で見る角度を調節して、このタンパク質の立体構造がCATHの分類通りにAlpha Betaの3層構造を形成していることを確認してみましょう。 \ No newline at end of file +ここで、大腸菌アルカリホスファターゼの立体構造のCATHによる分類は、"Alpha Beta 3-Layer(aba) Sandwich"とされています。Cartoon表示で見る角度を調節して、このタンパク質の立体構造がCATHの分類通りにAlpha Betaの3層構造を形成していることを確認してみましょう。 diff --git a/src/ch01/conservation.md b/src/ch01/conservation.md index ade2321..ac4605b 100644 --- a/src/ch01/conservation.md +++ b/src/ch01/conservation.md @@ -6,21 +6,21 @@ 以上のことを、アルカリホスファターゼについて確認してみましょう。まずは、**PDBsum** ([https://www.ebi.ac.uk/thornton-srv/databases/cgi-bin/pdbsum/GetPage.pl?pdbcode=index.html](https://www.ebi.ac.uk/thornton-srv/databases/cgi-bin/pdbsum/GetPage.pl?pdbcode=index.html)) というデータベースに登録されているデータを用います。PDBsumはPDBに登録された生体分子の構造データを加工したデータベースの1つで、配列・構造情報・リガンド結合・文献情報などをわかりやすくまとめてあります。ここのトップページのフォームに、調べたいPDBデータのIDを入れてFindボタンを押します。 - +![PDBsum top page](./image/pdbsum1.png) すると、PDB ID: 1ALKについてのページに移ります。このトップページには構造の図とともに、タンパク質の分類・リガンド情報・化学反応・一次文献情報・この構造を引用している論文一覧……などが表示されています。 - +![PDBsum ID 1ALK page](./image/pdbsum2.png) さらに、上部にあるタブをクリックすることで、さらに他の詳細な情報を表示させることができます。ここではProteinタブをクリックしてみましょう。 - +![PDBsum Protein tab](./image/pdbsum3.png) Proteins タブ、ページ左側にあるMotifsメニューのSecondary structure, Residue conservationをクリックすると(上図の赤丸部分)、アミノ酸の生物種間での保存度が1つずつカラーリングされているページが現れます。 - +![PDBsum Motifs menu](./image/pdbsum4.png) - +![PDBsum Residue conservation](./image/pdbsum5.png) この1文字表記のアミノ酸配列を見てみると、青〜緑〜黄〜赤までのカラーリングがなされていることに気づくと思います。**このカラーリングはこの大腸菌アルカリホスファターゼの類縁配列上で、そのアミノ酸の位置がどれほど保存されているかを表しています**(ページ下部に説明が書かれてあります)。言い換えれば、大腸菌アルカリホスファターゼについて他の類縁配列とのマルチプルシーケンスアライメントを作成してみたとき、ある位置のアミノ酸の種類が他の類縁配列上でも同じであればその位置のアミノ酸の保存度は高く、逆に他の類縁配列上でバラバラな様子が観測されていればその位置のアミノ酸の保存度は低くなります。例えば、この大腸菌アルカリホスファターゼのcatalytic residueである**Ser102**, **Arg166**のアミノ酸の保存度は最も高い9で示されています。この他にも、**PDB SITE records**(※なにかのリガンドが結合しているアミノ酸につくレコード)のマークが付いているアミノ酸はいずれも高い保存度を示していることが見て取れます。しかし、大腸菌アルカリホスファターゼのアミノ酸配列全体を見渡してみると、他にも保存度が高いところがあるのが伺えますし、逆に保存度が低いアミノ酸はなぜ低くなっているのか、という疑問も残ります。 @@ -28,15 +28,15 @@ Proteins タブ、ページ左側にあるMotifsメニューのSecondary structu 先程のResidue Conservationのページの下の方を見ると、この保存度は**Consurf-DB**というデータベースに保存されてあります([https://consurfdb.tau.ac.il/](https://consurfdb.tau.ac.il/) )。このページにアクセスして、大腸菌アルカリホスファターゼのPDB IDとChain IDを以下の画像のように入力してみましょう。 - +![Consurf-DB input](./image/consurfdb1.png) すると、まもなくPDB: 1ALKについての保存度情報についてのページに遷移します。ここで、下の方にある**High Resolution Figures**のところから、PyMOLの方のマークをクリックして、PyMOLのセッションファイル(`consurf_pymol_session.pse`)をダウンロードします。 - +![Consurf-DB High Resolution Figures](./image/consurfdb2.png) このダウンロードしてきたファイルをPyMOLで開いてみましょう。 - +![Consurf-DB PyMOL session](./image/consurfdb3.png) ここで、保存度のカラーリングはChain Aのみに行われており、Chain Bについては情報が存在していないためグレー表示となっていることに注意してください。 diff --git a/src/ch01/download.md b/src/ch01/download.md index 496f2c2..0788a12 100644 --- a/src/ch01/download.md +++ b/src/ch01/download.md @@ -1,26 +1,26 @@ ## PDBデータのダウンロード + PDBの構造情報ファイルをダウンロードし、その中身を確認してみましょう。 **分子の立体構造データ**の実体は、**その分子を構成している各原子の\\( xyz \\)座標データの集まり**です。PDB ID: 1ALKのStructure Summaryのタブに戻って右上の**Display Files**を左クリックし、さらに**PDB Format**を左クリックすると、開かれたタブの中にPDBデータの中身が表示されます。 最初に`HEADER`レコードや`REMARK`レコード、`SEQRES`レコードなどのヘッダ部があり、下方の`ATOM`(あるいは`HETATM`)レコードに分子を構成する各原子の\\( xyz \\)座標などが並んでいます。ヘッダ部には、この分子が由来する生物種や文献情報、構造決定方法に関する情報、アミノ酸配列、単量体か多量体か、構造中に含まれる金属や補酵素の情報などが書かれており、先程まで見ていたPDB ID: 1ALKのウェブページ上ではこれらの情報がわかりやすく整形されて表示されています。座標データは、20種類の標準アミノ酸は`ATOM`レコードに、それ以外の基質や金属、修飾アミノ酸などは`HETATM`レコードに記述されています。1ALKの`ATOM/HETATM`レコードに、タンパク質のAチェイン、 Bチェイン、続いて亜鉛(`ZN`)、マグネシウム(`MG`)、リン酸(`PO4`)、水分子(`HOH`)の座標データが並んでいることを確認してみましょう。 - ``` -HEADER: PDB IDやタンパク質の種類,データ登録年月日 -TITLE: このデータを得た研究内容の簡単な説明 -SOURCE: その分子の由来(遺伝子名,生物種など) -AUTHOR: 著者名 -JRNL: 立体構造が発表された文献情報 -REMARK: X線結晶解析の解像度やその他のコメントなど -SEQRES: アミノ酸・塩基配列 -HET: 標準アミノ酸・塩基以外の金属原子,基質などの情報 +HEADER: PDB IDやタンパク質の種類,データ登録年月日 +TITLE: このデータを得た研究内容の簡単な説明 +SOURCE: その分子の由来(遺伝子名,生物種など) +AUTHOR: 著者名 +JRNL: 立体構造が発表された文献情報 +REMARK: X線結晶解析の解像度やその他のコメントなど +SEQRES: アミノ酸・塩基配列 +HET: 標準アミノ酸・塩基以外の金属原子,基質などの情報 HELIX/SHEET/TURN: 2次構造情報 -SSBOND: ジスルフィド(S-S)結合 -ATOM: 原子座標など -HETATM: アミノ酸やヌクレオチド以外の原子(金属,基質化合物など)の座標など -TER: チェイン(chain, 鎖)の終わり -END: エントリの終わり +SSBOND: ジスルフィド(S-S)結合 +ATOM: 原子座標など +HETATM: アミノ酸やヌクレオチド以外の原子(金属,基質化合物など)の座標など +TER: チェイン(chain, 鎖)の終わり +END: エントリの終わり ``` なお、構造ファイルのデータフォーマットは、これまで伝統的に用いられてきた**PDB format**に代わって、2019年7月1日からは**PDBx/mmCIF format**が標準形式として採用されることになっています。このファイル形式は、人間にはわかりにくいがコンピュータで処理しやすい形式になっています。余裕があればこのフォーマットも新規タブで開いてみましょう。 @@ -31,4 +31,4 @@ END: エントリの終わり -ここで、ファイル名を`1alk.pdb`とします。PDBファイルが`ダウンロード`のフォルダにダウンロードされるので、そこから`デスクトップ`にファイルを移動させます。 \ No newline at end of file +ここで、ファイル名を`1alk.pdb`とします。PDBファイルが`ダウンロード`のフォルダにダウンロードされるので、そこから`デスクトップ`にファイルを移動させます。 diff --git a/src/ch01/hydrophobicity.md b/src/ch01/hydrophobicity.md index ca954cd..1247406 100644 --- a/src/ch01/hydrophobicity.md +++ b/src/ch01/hydrophobicity.md @@ -3,18 +3,19 @@ タンパク質を構成しているアミノ酸は通常20種類ですが、その20種類のアミノ酸を化学的な性質に基づいて**親水性・疎水性**で分類することがあります。この親水性とは水に対して親和性が高いという意味で、疎水性は反対に親和性が低いということを意味します。特に、**水素結合を形成しやすい**側鎖を持つアミノ酸は**親水性アミノ酸**と呼ばれ、そうでないものは**疎水性アミノ酸**と呼ばれます。 親水性アミノ酸は以下のアミノ酸が該当します。pH 7.0の中性溶液中で持つ電荷についても示します。 + - 酸性アミノ酸(負電荷を持つ) - - アスパラギン酸(Asp, D) - - グルタミン酸(Glu, E) + - アスパラギン酸(Asp, D) + - グルタミン酸(Glu, E) - 塩基性アミノ酸(正電荷を持つ) - - リジン(Lys, K) - - アルギニン(Arg, R) + - リジン(Lys, K) + - アルギニン(Arg, R) - 中性アミノ酸 - - スレオニン(Thr, T) - - セリン(Ser, S) - - アスパラギン(Asn, N) - - グルタミン(Gln, Q) - - ヒスチジン(His, H) + - スレオニン(Thr, T) + - セリン(Ser, S) + - アスパラギン(Asn, N) + - グルタミン(Gln, Q) + - ヒスチジン(His, H) また、これらの親水性度・疎水性度を数値化した研究も存在しています([*J. Mol. Biol.* 179:125-142 (1984)](https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/0022283684903097?via%3Dihub))。これによれば、 @@ -88,4 +89,4 @@ show spheres, all 水溶液中で安定に存在できる球状タンパク質は、疎水性アミノ酸が周囲の水分子と反発することによって親水性アミノ酸を外側へ、疎水性アミノ酸は内側へ集中させることから生まれる**疎水性相互作用**によって構造を形成していくことが知られています。そしてこの疎水性コアは疎水性アミノ酸同士の側鎖が密にパッキングすることによって文字通り隙間なく形成されており、これによってタンパク質全体の構造の安定性を大きく伸ばすことに貢献しています。タンパク質構造で注目されがちなのは親水性アミノ酸がよく用いられ外側に露出している活性部位(大腸菌アルカリホスファターゼで言うところのSer102, Arg166周辺)なのですが、こうした構造の成り立ちに関わるアミノ酸の分布のことも重要であることを覚えておくと、タンパク質構造についての理解がより深まると思います。 -補足ですが、タンパク質アミノ酸を疎水性・親水性に応じて色分けを行うための拡張コマンドとして`color_h`, `color_h2`が存在します([https://pymolwiki.org/index.php/Color_h](https://pymolwiki.org/index.php/Color_h))。`color_h`, `color_h2`コマンドの使い方は[PyMOL上でのpythonスクリプトの実行](../ch05/python_on_pymol.md#拡張コマンドを使えるように読み込む)を参考にしてみてください。 \ No newline at end of file +補足ですが、タンパク質アミノ酸を疎水性・親水性に応じて色分けを行うための拡張コマンドとして`color_h`, `color_h2`が存在します([https://pymolwiki.org/index.php/Color_h](https://pymolwiki.org/index.php/Color_h))。`color_h`, `color_h2`コマンドの使い方は[PyMOL上でのpythonスクリプトの実行](../ch05/python_on_pymol.md#拡張コマンドを使えるように読み込む)を参考にしてみてください。 diff --git a/src/ch01/index.md b/src/ch01/index.md index 7b36ff7..d5a526a 100644 --- a/src/ch01/index.md +++ b/src/ch01/index.md @@ -8,4 +8,4 @@ {{#include ./humanalp.md}} {{#include ./hydrophobicity.md}} {{#include ./conservation.md}} -{{#include ./qmmm.md}} \ No newline at end of file +{{#include ./qmmm.md}} diff --git a/src/ch01/launchpymol.md b/src/ch01/launchpymol.md index 94fe6d0..922a47b 100644 --- a/src/ch01/launchpymol.md +++ b/src/ch01/launchpymol.md @@ -1,15 +1,22 @@ ## PyMOLの起動 + それではPyMOLを起動してみましょう。起動の仕方は、お使いのパソコン・macによってやり方が変わります。もしまだPyMOLをインストールしていない場合は、[インストール方法](../append01/installation.md)を参照してください。 + ### Windows 10の場合 + (調査中です) + ### macOS (バイナリ版)の場合 + 初心者向けです。バイナリ版をインストールした場合、Finderから[アプリケーション]を選択して中にあるPyMOLをダブルクリックすることで起動できます。 ### macOS(オープンソース版の場合) + ターミナル操作に習熟した上級者向けです。オープンソース版はHomebrewを使うことでインストールできます。(参考:[インストール方法](../append01/installation.md)) インストールに完了した後、[アプリケーション]→[ユーティリティ]→[ターミナル]を選択して、`pymol`と打てば起動します。実用上は `pymol > /dev/null 2>&1 &` とコマンドを打つ方が便利かもしれません。 ### Linuxの場合 -インストール完了後、ターミナルから `pymol` と打つことで起動します。 \ No newline at end of file + +インストール完了後、ターミナルから `pymol` と打つことで起動します。 diff --git a/src/ch01/objective.md b/src/ch01/objective.md index 8d4935f..1bae86b 100644 --- a/src/ch01/objective.md +++ b/src/ch01/objective.md @@ -1,4 +1,5 @@ ## 目的 + 酵素などのタンパク質は、それぞれ固有のアミノ酸配列をもち、それが固有の立体構造に折れたたまります。これにより、アミノ酸配列上では離れていた残基同士が接近し、それらが協同して他の分子と相互作用したり化学反応を触媒したりすることができるようになります。タンパク質を含む生体分子が機能を果たすためには、その立体構造が本質的に重要です。生体分子は、ナノメートル(\\( 10^{-9}\ \rm{m} \\))オーダーの微小なものですが、X線結晶構造解析法やNMR法、最近ではクライオ電子顕微鏡などの手法を用いて、その立体構造(分子を構成している各原子の\\( xyz \\)座標)を決定することができます。それらの構造データは、公共の立体構造データベースに蓄積され、誰もが自由かつ無料で利用できるようになっています。コンピュータを用いると、これらの立体構造データにインターネットを介してアクセスし、さらに分子グラフィックスソフトウェアを用いてその構造を表示することが可能となります。 人間の肉眼では見えない生体分子をこのようにコンピュータ上で可視化することで、その機能に対する理解をいっそう深めることができます。ここでは練習として、加水分解酵素「**アルカリホスファターゼ**」のアミノ酸配列や立体構造に関するデータをデータベースから取得し、タンパク質の配列-構造-機能の関係を理解してみます。**アルカリホスファターゼ**は、我々の健康診断の時に肝臓の機能を測る指標(**ALP**)として、生活に関わっているタンパク質です。 diff --git a/src/ch01/qmmm.md b/src/ch01/qmmm.md index 7a924bb..1e3cc02 100644 --- a/src/ch01/qmmm.md +++ b/src/ch01/qmmm.md @@ -20,4 +20,4 @@ PyMOL Internal GUIの右下には▶ボタンがあります。この▶ボタ このような動いている様子が見られるのは、このセッションファイルにはあらかじめ149フレーム分の構造データを入れたオブジェクトが含まれているからです。ほとんどすべてのRCSB PDBからダウンロードしてきた結晶構造のデータは静止しているために1フレーム分のデータしかありませんが、NMRで構造決定されたデータですと、タンパク質の「動き」が収録されているものもあります(例としてPDB ID: 1G03)。 -このセッションファイルには、`dist01`から`dist11`までの距離オブジェクトも含まれています。この距離オブジェクトは[マウス操作の原子ピッキング(PkAt)機能](../../../ch02/buttontable.md)を用いることで作成することができます。距離を測定したい2点の原子の上でそれぞれCtrlキーを押しながらマウスのホイールクリックを行い、コマンドで`dist`と入力することで距離オブジェクトを生成することができます。 \ No newline at end of file +このセッションファイルには、`dist01`から`dist11`までの距離オブジェクトも含まれています。この距離オブジェクトは[マウス操作の原子ピッキング(PkAt)機能](../../../ch02/buttontable.md)を用いることで作成することができます。距離を測定したい2点の原子の上でそれぞれCtrlキーを押しながらマウスのホイールクリックを行い、コマンドで`dist`と入力することで距離オブジェクトを生成することができます。 diff --git a/src/ch01/saveimage.md b/src/ch01/saveimage.md index c674fb4..a75c3fd 100644 --- a/src/ch01/saveimage.md +++ b/src/ch01/saveimage.md @@ -1,16 +1,17 @@ ### 画像の保存 + 画面に映されているタンパク質を画像ファイルとして保存します。ただし、そのまま保存しようとすると背景が黒のままとなってしまいます。 -黒背景のままの保存 +![黒背景のままの保存](./image/saveimage1.png) これを白背景で出力します。上部のDisplay > Backgroundメニューから、Whiteを選択します。 -白背景 +![白背景](./image/saveimage2.png) この設定の後、PyMOL画面の右上に存在するDraw/Rayボタンを押し、`Draw (fast)`または`Ray (slow)`ボタンを押すと、きれいな画像となって表示されます。 -白背景 +![白背景](../ch02/image/saveimage/saveimage5.png) 問題がなければ、`Save Image to File`ボタンを押し、ファイル名を設定して保存しましょう。ちなみに、`transparent background`にチェックを入れると背景透過画像を生成することができます(ただし`Ray (slow)`を適用した場合のみ)。背景透過処理を行うとレポートやスライドの上で扱いやすくなるので、ぜひ利用しましょう。 -その他の詳しい項目については[2.7 画像の保存](../ch02/saveimage.md)を参照してください。 \ No newline at end of file +その他の詳しい項目については[2.7 画像の保存](../ch02/saveimage.md)を参照してください。 diff --git a/src/ch01/slab.md b/src/ch01/slab.md index 345ea59..5b5a821 100644 --- a/src/ch01/slab.md +++ b/src/ch01/slab.md @@ -1,3 +1,3 @@ ## スラブ機能を使った内部構造の確認 -リガンドタンパク質の内部構造がどうなっているか、 \ No newline at end of file +リガンドタンパク質の内部構造がどうなっているか、
選択演算子 エイリアス 説明